機構設計とは、おおまかに決まったデザインに対して求められる機能を落とし込み形にする仕事です。価格やサイズ、製造工程を意識しながら音の響きや演奏性を考慮し、主にCADを使って筐体や可動部の設計を行います。 CADでデータを作成した後は試作・評価を重ねながら量産に向けて細かな調整をしつつ、梱包の設計や組み立て指示等の資料作成も行うので一つの製品に対して最初から最後まで深く携わることの出来る仕事です。
電子楽器の機構設計には機械設計の基礎知識、CADの技術に加え、試作や試験を繰り返す体力と忍耐力、他部署や海外工場とのコミュニケーション能力も必要になります。 材料力学や樹脂・金属加工の知識を活かして設計を行うことで初期段階でも楽器のデザインやサイズ感、コスト計算の精度を高めることが出来ます。 試作や試験段階では設計したデータを外部に依頼するだけでなく、3Dプリンタで部品のサイズ感や可動性を確認したり、アンプやスピーカーの木工製品では実際に木や金属を加工し強度や操作感を確かめることも多くあります。 ソフト、ハード、デザインなど多くの部署と連携しながら設計を進め、工場生産では設計意図や製造工程を正確に伝える必要があるため、的確なコミュニケーションも欠かせません。
最初はPC画面の中にしか存在しないプロダクトが、設計を重ねることで実際に手に取れる形になり音が鳴る瞬間や、製品がお店に並ぶ瞬間には大きなやりがいを感じます。 個人的に印象的だった出来事としては自分が担当したBrian Mayコラボの製品を偶然友人が購入しており、本人の感動をダイレクトに感じられた事は非常に嬉しい瞬間でした。 社員の中では年間30本以上のライブやセッション活動をしたり、アメリカ旅行を兼ねてNAMM Showに参加している方もいます。そうした活動が出来る会社の雰囲気や人間関係もKORGの良いところですし、仕事とプライベート、どちらも充実させることで新しいアイデアやインスピレーションにつながると思っています。 音楽とものづくりに興味がある方には、楽器の機構設計はとてもやりがいのある仕事です。